ヘーゲル(Hegel):生涯と著作

18世紀半ばのカントの哲学に始まり、フィヒテシェリングへと続くドイツ哲学の流れを「ドイツ観念論」と呼ぶが、このドイツ観念論のトリを務めるのがヘーゲル(1770〜1831)である。

ヘーゲルが生まれたのは、ドイツ南部に位置していたヴュルテンベルク公国である。
当時のドイツは小さな領邦国家に分裂していたが、ヘーゲルの生まれた国はそのうちの一国で、絶対君主制であった。
そうした状況にあったドイツの隣国フランスからは、自由と平等を謳う思想が伝えられ、また、君主やキリスト教会からの命令に従うよりも自分自身の良心に従う生き方を説いたカント倫理学の影響もあり、ドイツには社会変革の機運が高まりつつあった。
そうしたなか、1789年にフランス革命が起きる。
この年、ルター派神学の拠点となっていたテュービンゲン大学で学んでいたヘーゲルは、学友であったシェリングやヘルダーリンとともに喜び合ったという。
しかし、革命後のフランスでロベスピエールが恐怖政治を行ない、その後、皇帝となったナポレオンがドイツに侵攻してくると、今度は反フランスの機運が高まり、ドイツに近代的な統一国家を建設しようという動きが活発になってきた。
ヘーゲルもドイツの統一を願った人びとのうちの1人で、こうした時代背景のなかで、彼は数々の著作を著していったのである。

ヘーゲルの主な著作としては、以下のものがある——

・『精神現象学
・『大論理学
・『エンチュクロペディー
・『法哲学

また、ヘーゲル自身の著作ではなく、弟子がまとめた講演録もあり、以下のものが著名である——

・『哲学史講義
・『歴史哲学講義
・『美学講義

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