哲学の特徴とは何か?

神話が相対的になっていく状況のなかで、神話に代わる世界説明には何が求められたのであろうか?

すでに前のページ「なぜ哲学は誕生したのか?」のなかで、神話による世界説明は、「物語の形式」をとると言った。
たとえば、世界にはまずカオス(混沌)があって、そのカオスから天と地、陸と海、昼と夜……が分かれ出たというような説明である。
しかし、神話は、その神話を信じている人びとのあいだでは有効だが、それ以外の人びとにとっては、世界説明として通用しなくなる。
なぜなら、こうした物語による世界説明は、その説明が真実であるかどうかを検証できないからだ。
“この世界説明は本当か?”と疑問に感じたとき、その説明を誰もがたどり直すことができないのである。

それでは、どんな神話を信じているかに関係なく、誰もが検証できる世界説明であるためには、どのような説明であればいいのだろうか?
それは、論理的な説明である。
のちに見るように、最初の時期における哲学は、自然を対象に、その本質を論理的に描き出そうとした。
そのような説明であれば、“この説明は本当か?”と疑問に思っても、自分自身で自然そのものを観察し、自然と照らし合わせながら、その論理をたどることができる。
その結果、説明に納得がいかなかったとしても、どこで納得いかないかが明らかであるため、その説明を自分で修正していくことができる。

さらに、説明の修正だけで納得できない場合は、説明の“出発点”を新たに置き換えてしまうことさえ可能だ。
そのとき世界は、まったく新たな姿をして立ち現れてくるのである。

このように、古代ギリシアにおいて、哲学は、(1)世界の論理的な説明(2)世界説明の“出発点”の置き換えという特徴をもって始まったのである。

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