【功利主義】ベンサム(Bentham):制裁

幸福の増大と害悪の除去によって「最大多数の最大幸福」を実現するための手段としてベンサムが重視したのが「制裁」(サンクション)である。
ベンサムによれば、「制裁」には、自分の不注意のために自然から受ける「自然的制裁」(例:飲みすぎによる二日酔い)、法律によって罰せられる「法律的(政治的)制裁」、世間から非難される「道徳的制裁」、神罰としての「宗教的制裁」があるという。
このうち、彼がもっとも重視したのが「法律的(政治的)制裁」であった。

ベンサムによれば、ある者が他人の幸福を害する行為=犯罪を企てても、「法律的(政治的)制裁」=刑罰によって大きな苦痛がもたらされる結果になることを知れば、その者は犯罪を思いとどまるはずである。
あるいは、もしも犯罪を犯すことを思いとどまることができないとしても、より有害でない犯罪を犯すだけで済むように仕向けることができるはずだ。
そのためには、「法律的(政治的)制裁」=刑罰によってもたらされる苦は、犯罪によってもたらされる快を大きく上回る必要がある。

このようにベンサムは考え、国家や法の機能を重視することによって、個人の幸福と社会の幸福が調和することを説いたのであった。

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